鉄道運賃ってどうやって決めているのか?(2018年12月8日)

さて今回は久しぶりに「鉄道」の話を掲載しようと思います。今日取り上げるのは・・・

運賃について掲載いたします。運賃といえばタクシーに乗ったとき、運転手に支払う料金など乗り物に対してそれをした対価としてお金を支払うものです。

では、鉄道の料金とはどのように決めているかご存知でしょうか?

鉄道運賃を決めるのは国土交通省である!

鉄道料金は鉄道会社で独自にきめることはできない

意外に思われるかもしれませんが、運賃は鉄道会社で決めているわけではありません。決めているのは国の機関である国土交通省です。

なぜ、鉄道会社で決められないかというと鉄道会社がぼったくりの運賃をつけて乗客に押し付ける危険性があります。それがもとで乗客による暴動や鉄道会社によるストライキで国内の物流を止め、日本経済に大きな影響をもたらすため、国(国土交通省)がコントロールしているのです。

 

鉄道のルールを決めているのは「鉄道事業法」

もとになるのが「旅客営業規則」という法律です。それに基づいて、鉄道会社は運賃をそれに基づいて乗車券や新幹線などの特急券の料金を制定しています。

ライナー券やグリーン券もありますが、内装や社内の外装などに基づいて決める必要はなく、国土交通省で認められれば、たとえ内装が汚く小さくても料金を多くとってもよいことになってます。

運賃は「上限認可制」で規制している

鉄道会社では上限認可制というルールで運賃を決めています。これは国土交通省が設定できる最高金額の運賃を決め、その範囲内で鉄道会社が決めているのです。

簡単に言うと仮に東京から名古屋まで運賃を10000円の範囲で決めることができるとすれば、最大で10000円まで設定できるというものです。

下限については制限がありませんので極端なことを言えば1円でもよいのです。(現実上ありえませんが・・・)

鉄道会社がもし値上げしたい場合:まずは財務諸表など必要となる資料、申請書類を国土交通省に提出します。その後、有識者を集めて閣議で議論し、そこで承認されはじめて値上げができるのです。突然、鉄道会社が最近不況だから、運賃をドカンと上げます!ということは許されないということです

鉄道運賃の決め手は人件費と経費で決まる!

運賃の決め手は「事業報酬」と「経費」の合計で決まります。

運賃はおおまかにいうと「事業報酬」と「経費」で決まります。事業報酬とは道会社が持っている株式の配当金と銀行からもらえる利息、売上金プラスその儲けを加算したものです。

一方の経費とは従業員、役員の給与・報酬そして法人税などの税金や設備にかかる減価償却費の合計となります。

このベースとなるものを統括原価といいます。これには利益が含まれた状態で設定されているので支出と収入をバランスよく計算することができるという点です。これ自体、根拠のあるものとなっているので客観的にその運賃が適正かどうか判断ができるのです。

そうすることで鉄道会社も国土交通省も納得ができ、公正に判断できるものとなっています。

この方式を統括原価方式といい、鉄道運賃だけでなく電力料金や電気料金などインフラ関連の料金はこれで設定してます。

計算期間は3年間で行う

統括原価は単年度でなく、3年間の平均で計算されます。単年度だと、工事など突発的な費用が入ってくると最大で設定できる運賃が高く見積もってしまうの乗客にとって、不利に立場になってしまいます。

そこで3年間の統括原価を基に最大で設定できる運賃を設定し、公平性を保っているということになります。